スポーツ選手の栄養 ~脂質の摂りかた②~
スポーツ選手の栄養
~脂質の摂りかた②~
前回、脂質について紹介しました。
今回はスポーツ選手にとっての脂質の摂りかたを詳しく紹介しています。
前回の復習
脂質は1gで9kcalとなり、効率よくエネルギーを摂取することができます。
細胞膜の構成成分であるなど、さまざまな役割があり、スポーツ選手の身体には欠かせない栄養素の一つです。
基本的な考え
脂質は身体に欠かせない栄養素だが、だからといって高脂肪食や断食など糖質の少ない食事を続けても、その分脂質がエネルギー源として利用されるわけではありません。
運動強度が低・中強度でしたら、運動量に比例してエネルギー源として脂質が使われれる。
しかし、高強度になると、酸素の摂取が下がり、糖質を使ったエネルギー代謝になるため、脂質の利用は抑制されます。このため、糖質が少ない高脂肪食はパフォーマンスを損ねます。
よって、食事は糖質の必要量を摂取できるようにしたうえで、脂質を活用した無理なく食べきることのできる献立を心がけましょう。
スポーツ選手にとっての脂質摂取
スポーツ選手はエネルギーの必要量が多くなります。そのため通常、ごはんの量を増やしたり、補食を用いたりします。
しかし、人それぞれ食べられる量には限りがあるため、ごはんの量や補食を増やすには限界があります。
そこで脂質が活躍します。
脂質をうまく活用することで、エネルギーを不足なく摂取することができます。
また、長期間にわたって脂質の摂取量が総エネルギー摂取量の20%以下になると、脂溶性ビタミン(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK)の減少や必須脂肪酸の摂取不足になる可能性があります。
脂質の種類
脂質にはさまざまな種類があるため、油の質にも気を遣ってください。
飽和脂肪酸を少なくし、不飽和脂肪酸の割合を増やすことがよいです。
しかし、不飽和脂肪酸であるトランス脂肪酸の摂取には注意しましょう。
一定量以上摂取することで、虚血性心疾患のリスクを高めます。
最近のトレンド
最近、特別な機能をもつオイルが出てきています。
例えば、オリーブ油、亜麻仁油、ゴマ油、中鎖脂肪酸油など(不飽和脂肪酸が豊富に含まれている)、
運動前の大量摂取やエネルギー過剰を引き起こさないために、これらの油を積極的に摂取しましょう。